著者
呉国光 (著), 廖建龍 (翻訳)
内容紹介
著者、呉国光は、現カナダ・ビクトリア大学中国研究者。
趙紫陽元総書記が政治改革に取り組んでいた頃、チームの一員として、実際の改革案を起草した。
本書では、中共が中国経済発展と社会の安定のために、如何にして仕組みを巧みに作りあげ、中国社会を支配してきたか、その状況を、冷静かつ正確に分析し論じている。
中国における政治の手がつけられない現実――自由経済と独裁政治の矛盾、その矛盾をかき消すための買収と囲い込み、弾圧、洗脳、超格差、そしてそれを正当化するための対外膨張が述べられている。廖建龍氏は本書が、日本や台湾、台湾独立運動の参考になると考え、自ら翻訳を著者に申し出た。
呉氏が日本人読者への序文に「中国はこれからの海外膨張を企むためにおそらく、最初は日本に衝撃を与えてみるであろう」と書いたのは、2010年2月だったが、その予見どおり、半年後の9月に尖閣列島漁船衝突事件が発生したことからも、呉氏の分析が確かであることが分かる。